Aのこと 2

もう今後会うこともないだろうと思っていた友人のAと会った。

9月のある日になぜかAの夢を見た。Aのことを夢に見るなんてことがなかったし、数年会っても連絡を取ってもいないので、私の日常からはAが完全にいない状態になっていたはずだった。そこでAの夢を見たので、もしかしたら奴が死んだのかもしれないと思った。でも確かめる手段もないので「死んだんかな...」と思うだけにとどまっていた。カスである。

すると、その数日後にA本人から連絡が来た。私がLINEの友人設定か何かを吹き飛ばしていたので、携帯電話の番号にSMSメッセージで「おひさ、○○だけど生きてる?」と連絡が来た。めちゃくちゃびっくりした。嬉しくなかったといえば嘘になるが、当時は困惑の方が強かった。忙しくなければ会おうと誘われたが、数年ぶりということと、業務や医療等の手続き以外の用件で他人と外で会うことに以前より抵抗感があったのでその時は保留にして断った。カスである。

そこから日が経って、12月に映画の「スタンド・バイ・ミー」を初めて観る機会があった。そこで、ガキの頃の友達ってあったよなあと懐かしくなって、ずっと保留にしていたAとの面会をしてみようという気分になりこちらから連絡をしてみた。結果、元日の夜に飲むことになった。予定を決めた時は何も考えていなかったが、元日の夜に飲みの予定が入っていると、前日の大晦日に「やたら肉を買ってきてめちゃくちゃ焼いてめちゃくちゃ食べる」「酒をたくさん開けてべろべろになりながら麻雀をする」等の大暴れができなくなるので注意が必要である。

Aは午前中に実家でおせちを食べて、夕方に東京に戻ってくるとのことだった。私はいつも通り何も予定はないので、Aの自宅方面でAの知ってる店を選んでもらった。最悪終電が無くなっても根性で歩いて帰宅できる距離であることも確認できた。なぜ割と近くに引っ越してきてるのに一言もねえんだよと思ったが、それは私の方がLINEの設定を吹き飛ばしたために、そもそもまともな連絡手段が無かったのだった。

 

久しぶりに会ったAはそれ程変わっていなかった。強いて言えば、年齢相応に肉が付いた。もともと初対面の頃は小さくてかわいい系だったし、高校・大学と成長してもガリガリの方だったので、ようやく痩せ気味程度になったくらいだった。数年ぶりだが何も気のきいたあいさつは浮かばず、私は適当に「どうも」とか「ご無沙汰しております」とか言った。Aは手に紙袋を持っていて、実家で菓子でも持たされたのだろうかと考えていた。するとAは「いいすじこがあったから買ったんだけどこれは冷蔵だから」「居酒屋の冷蔵庫借りられるかな」とのたまった。私は呆れて「バカ」「先飲んでてやるから一旦家に帰って置いて来い」と言った。Aは「大丈夫」とか言っていた。何も大丈夫ではない。Aはこういう奴だった。居酒屋に着いて、本当に「これ冷蔵ものなんですけど冷蔵庫借りられたりしますか?」と店員と交渉し始めた。自分ならこんな店に余計な迷惑かけるような真似はできない。信じられない奴だ。これからこいつと同じ卓に座るのか、嫌だなあ...と思いながら眺めていた。

席に座って、ひとまず一杯目のビールを注文した。「ビール飲めたっけ?」と言われて、Aと最後に会った時期はまだビールが苦手だったこと、もうとっくにビールが飲めるようになってからもまったく連絡を取っていなかったことを思い出した。お互いにアプリのバージョンを古いままにしてる間に、最新バージョンが何段階も更新されてるようなものだと言って笑った。私がなんとなくメニューを眺めていたら、Aは「お前の好きなものとか忘れちゃったよ」とか言った。マメな奴である。そもそも私がAに対してこの飯が好きだとかなんだとかいう話をした記憶もないが、人の好物を覚えておこうという姿勢そのものが私にはないので、社交性が高い奴はやっぱり違うんだなと思った。モテるのもこういった些細な要素の積み重ねが関係しているのだろうかとぼんやり考えていた。

飲みながら適当に会っていなかった年月にあった出来事を話した。とは言っても、私から話せるようなことはほとんどなかった。というより、自分のことをうかつに話してしまうと、目の前にいるAに精神的に縋ってしまうのではないかという恐怖があった。そのため、ほとんどAに喋ってもらっていた。Aの仕事の話を聞いたり、これまでの何人かの彼女がどんなヤバい奴だったのかというエピソードを聞いたりした。ヤバい人間たちの話を終えたAが「でもお前が一番意味不明だけどな」と言うので、普通に不服になった。いつだったか結婚式に誘われて断ったある同級生がもう離婚していた。

Aは一度私の実家に電話をかけて生存確認をしようとしたことがあったらしい。その時は偶然留守だったため叶わなかったとのことだった。私も私で、精神的に不調になって会社を休み、ワンチャン自殺あるなと真面目に考えた時に最後のあいさつ代わりでAに電話をかけたことがあった。その時はたしかAがこのあとすぐ予定があるとかですぐ切ったが「一応最後に声は聴かせたぞ」という気持ちでいた。メインクエスト「自殺」までのサブクエストをひとつ終えた気でいた。だからそれ以降に連絡をすることもなかったのだと思った。

ふたりでワールドカップの話をしたのが意外だった。別にお互いにサッカー好きというわけではないからである。Aは会社で同僚と「どの国が何位になるのか」という順位予想の賭けをしていたが、実際の試合は決勝以外何も観戦せずニュースで結果だけ確認していた、と話した。順位予想も、現在のFIFA世界ランキングからおおよそそのまま当てはめて賭けていたらしい。私は今年のワールドカップの試合を7割方観戦していたが、「サッカーは要素が多すぎて賭けには向かないなあ」と思いながらジャイアントキリングを期待して観戦していたので、お互いに真逆のことをやっていた同士の会話で盛り上がった。「モロッコがあんなに勝ち上がるなんて」という台詞も、片や頭を抱え、片や番狂わせを面白がってと、意味合いがまるで逆になっていた。同じイベントひとつでも、人によって触れ方は全然違うらしい。

ある程度食べ終わって、トイレに行って戻ったら会計が済まされていた。料理はほとんど私が食べていたので、借りを作りたくなかった私は「あーあ、お前そういうことやりやがったな」みたいな文句を垂れた。どういう流れでそうなったのか忘れたが、2軒目に店に行かずAの家に行くことになった。たしか元旦ということもあってラストオーダーが早い時間になっていたのと、Aは彼女を家に招くことがあるから他人が侵入可能な環境なんだろうと思った私が家に行っていいか?と聞いたのだと思う。

 

家に行く前に酒屋に寄ってワインを買った。酒屋で、Aは「ネロ・ダヴォラ好きなんだよね」と言ってワインをカゴに入れてきた。生意気なこと言う奴だな、とからかってみようかと思ったが、ネロ・ダヴォラがどこの国の葡萄だったか思い出せなくてやめた。私は学生時代にワインショップでアルバイトをしていたことがあって、その時の私なら答えられたのかもしれないと思った。その頃は、ワインを買うときにちゃんと国や品種を確認していた。しかし今は適当に瓶の12本セットを買ったり、箱ワインをがぶ飲みしたりしている。品種なんてものを意識し始めたら金がかかることを知っているからだ。ワインショップでの記憶を思い出そうとすると、当時の失敗も一緒に紐づいて思い出されてしまいそうで、深く考えるのをやめた。「ネロ・ダヴォラ」というキーワードからAの好みがどんな味なのかわからなかったので、私はスペインワインを1本カゴに入れた。「さっきは俺が出したからここの酒はお前が出せ」と言われて、明らかに1軒目の料金の方が高額じゃねえかふざけるなよと思いながら支払いをした。私がおもむろにエコバッグを出したのでAは少し驚いていた。「この袋、どうぶつの森のやつなんだ」と言ったら「全然わからなかった」と返ってきた。これからは近所のスーパーに持って行くときにロゴを内向きにしなくてもいいかもしれないと思った。

1軒目の店から駅に行って電車に乗ってA宅に向かうまで、とりとめもない話をした。Aの最寄り駅から歩いている時に、ふとAの家族について聞いたら、自分が知っている時と比べてより複雑な環境になっていたらしくヤバめの地雷を踏んでしまった。しかし「まあお前から誰かに伝わることはないしいいか」と言って話してくれた。学生だった頃、何か思わせぶりなことを言われたり言葉を濁されたりする度に、ハッキリしないのが気に食わなくて「私から他の人に伝えるような友達とかはいないんだから早く話せ」と迫っていたのを思い出した。結局何年経ってもその状況は変わっていなかった。

 

Aのアパートかマンションか何かに通されて、綺麗な部屋というのを久しぶりに目にしたので呆然としてしまった。玄関からリビングまでの通路に何も置いていなかったし、客用のスリッパがすぐ出てきた。私の部屋は玄関のドアを開けてまずダンボールに阻まれるような環境なので、廊下ってこんなに広いんだなと思った。広めのキッチンとリビングに、寝室が別にあった。リビングにはL字型のデカいソファとデカいテレビ、デカい冷蔵庫、ガラスのローテーブルとPS5があった。PS5は実在していたらしい。家具屋のカタログにあるような感じの、シンプルだけど金がかかってる部屋だった。それにすごく良い香りがした。私の家はキムチ鍋がルームフレグランスになることもあるので、どこからこんな良い香りがしているのかと思って探してみたが、見つからなかった。

L字ソファの角の所に勝手に座って、チーズとワインが用意されるのを待った。用意が終わって飲み始めたはいいものの、改めて話すことがあるのかと言われたらそんなに無かった。その時は21時かそこらだったので、ワンチャンまだ帰れるのかもしれないとも思った。こちらから話すことが無さすぎて、話題はまたAの彼女や、彼女になりかけた者の奇行に関するものになった。思えば昔もそうだった。Aがずっと話していて、私がそれにリアクションするというのが基本だった。Aは自転車でもかなり時間のかかる遠い高校に通っていて、畑か田んぼかのエリアの一本道を走る間暇だからと電話をかけてくることがあったが、その際も今日こんなことがあっただとかアイス食べてまた腹を壊しただとか話してきて、私が呆れるというのが主な流れだった。

しかし付き合う女の奇行に関して語られるものは、酒の肴にはなるが理解不能なものや疑問に思うエピソードが多すぎた。Aは昔よく「自分のことが好きな女が好き」と言っていたが、流石におかしい奴ばかりだと思って「なぜモテるはずなのに頭のおかしい女とばかり付き合っているのか」「ガチャでヤバい奴を引きすぎなのではないのか」と聞いた。するとAは「頭のおかしい美人が好きなんだ」「ちょっとおかしい方が面白いし、そういうのを攻略するまでは別れる気はない」「こういう話のネタにもなるし」と言った。私はそれに対して「ガチャはガチャでもキ○ガイピックアップガチャをやってるってこと?」というような暴言を言ったが、Aはそうだよと笑っていた。

それにしても、攻略するまでは別れないということは、攻略したと感じたらある程度気が済んでしまうということである。Aは「女に振り回されて自分がエラい目にあった話」をしているが、他人を攻略するだのなんだのと傲慢なことを言っているAもAでクズである。Aが昔と変わらずクズだったので、「やっぱりお前はクズだよ」と素直に言うことができた。Aは「でも付き合ってる子からはそういうのバレないんだよね」と言って笑った。人の心なんてわからないのに、バレていないと確信できるのはどうしてなんだろうと思った。

また、私はずっとAを浮気性だと思っていたが、聞いてみたら本人は一途だと言い張っていた。よくよく聞いてみると、特定の彼女がいる間に他の女性と決定的な行動はしないが、FEでいうところの支援Bまで進めて止めているみたいな感じの女性が複数あるようだった。こいつはいつか刺されると思った。そして学生の頃も同じようなことをいつも考えていたことを思い出した。昔は本当にいつ刺されないだろうかと心配して、そういう付き合いはやめろと度々言っていたのだった。しかし十数年経ってもAは同じようなことを続けているし、まだ刺されていなかった。おそらく、歳を重ねてそういったロクでもない技術はさらに上達しているのだろう。

 

ある程度経って、Aがシャワーを浴びるというのでスマホをいじくって飲んでいたらいつの間にか寝てしまっていた。ハッと目が覚めたらソファにAが戻ってきていた。私は他人の家で寝ようと思っても中々寝付けない人間だ。学生時代に鍋パしようと呼ばれて5人くらいの集会に呼ばれた時も、皆が酒に酔って騒いで寝た後に寝付けずひとりで皿を洗い、始発で先に帰った。それが、特にまだ寝る時間でもないというのにいつの間にか寝てしまっていた自分にとても驚いた。何か声をかけられて「私は他人の家で眠れないはずなのにおかしい」と言ったら「それだけ心を許してるってことじゃない?」みたいなことを冗談交じりに言われて、屈辱と恥を感じて本当に死ねと思ったが、寝起きで口からうまく言葉が出てこなかった。死ね

PS5はあったが、コントローラーは1つしかなかった。ゲームをやるとは言っていたが、友人とはもっぱらオンラインでやっているようだ。まあだいたい今はそうか。それにしてもたまに人を呼んだ時にゲームをすることはないんだろうか。オーバークックをよくやっていたという話をされたので一度対戦をしたいと思ったがそれは叶わなかった。話している間に、Aは「ウーバーでピザ頼みたい」と言い出した。Aはもうお腹が空いていないはずなのでなぜかと聞いたら「なんか無駄なことがしたいから」と言った。私は「無駄なことはやめろ」「じゃあ1枚全部食えんのか」「私は食べられるけどお前は?」等と言ってやめさせた。Aは「朝ラーメン食べに行こう」と方針を切り替えた。こいつ本当に朝ラーメン食べれるのかよと疑問に思ったがそのままにした。

同級生の結婚や出産の話をしていた時、私は「Aは結婚するつもりはあるのか」と聞いた。これといってそういう希望はないようだった。私の友人Bが2月に出産するから顔を見に行くつもりだ、という話をしたら、「子供平気だったのか」というようなリアクションをされた。確かに、昔は子供が好きではなかった。というよりも、自分より少し年下、つまり後輩にあたる年齢の人間との接し方がわからなかったのだ。だが、とっくに成人してからは、他人の子供はまあそこそこ可愛いかな、くらいの所までゲージが回復していた。だから「自分の遺伝子を引き継いでない子供ならいいよ」と言った。そのままの意味である。Aは「バツイチ子持ちと結婚してえな」と言った。なぜあえてそこなんだ?と聞いたら、子育ての一番大変な時期をスキップできるからだと答えた。クズすぎて私は言葉を失った。いや、わかるけど...と言いたい所だが、私の性格には中途半端な責任感があるために、気安く同意ができなかった。というか、生物は他のオスが遺した子供に対してネガティブな印象を持たないのだろうか。まあ血のつながりなどなくても、相手が人間でも動物でも愛情というものは持てるのかもしれない。そもそも私の記憶では、Aは自分から他人を好きになったことがないのではなかったか―――そんなごちゃごちゃとした考えが頭をよぎった。うまくまとめられなかったので、「クズだなあ」と言った。

そんなこと他所で言うなよ、と言いかけたが、他所で言うわけがないので黙った。学生の頃はそんなやり取りをしていた。私は「他の人に言わない方がいいよ」とか言って、「お前くらいにしか言わない」みたいなことを言われていたのだった。Aが自分にしか語らないことがある、という事実(なのかは定かではない)は当時の私の気分を良くさせた。昔も今も、別にAを全肯定するつもりはなかった。ただ、私に対しては他人がドン引きするような発言を厭わないことや、他人の機嫌を取るための言葉を使わず正直でいるということが、私がAを好ましく思う大きな要因だったのであろうと感じた。アスペルガーまではいかないが、私は言葉の裏を読み取るのが苦手だ。たぶんAはそれをわかっていて、幼い頃は散々からかわれた。だがそれと同時に、こいつにそういった高度なコミュニケーションは通じないのだからと、回りくどいことをせずに話をしてくれていたケースも多かったのだろう。私が「バツイチ子持ちの美人なんてそうそう転がってるものでもないだろう」と言うと、Aは「それが結構転がってるもんよ」と言った。転がっているらしい。

その後、Aがソファでそのまま寝そうになっていたので「なぜベッドがあるのにそっちで寝ないんだ」と言って寝室で寝かせた。ソファで寝るのとベッドで寝るのとでは睡眠の質がまったく違うのに平気でソファで寝ようとするので、「じゃあ私がお前のベッドで寝るぞ?いいのか」と言っても「いいよ」と言うので念仏のように口うるさくして寝室に行かせた。その後私はひとりで酒を飲みながら映画を観た。本当は勝手にアカウントを使ってドラゴンクエストⅩをやろうと思ったのだが、オンライン使用権みたいなやつがとっくに切れていてできなかった。どうせならここで原神デイリーでもやってしまうかと思って勝手にダウンロードをしたが、A宅のPSアカウントと私のGoogleアカウントを紐づけるというとてもリスキーな過程が必要だったため諦めた。仕方なくアマゾンプライムを付けて、トップにあった呪術廻戦 0を観た。前からいつか観ようと思っていたので良い機会だった。

映画の途中(クッソいいところ)でAが起きてきたので消して、適当にテレビをつけて放送していた恋愛ドラマの一挙放送を流した。ドSの医者と天然系の看護師がイチャつくドラマだった。ある話で遊園地デートがあり、看護師が「一日でアトラクション全部回るリストを作りました!」とはしゃいでいた時、私の「うわだりぃ~」という感想とAの「かわいい~」という感想が同時に出てきた。つくづく波長が合わない。佐藤健がカッコいいという意見は合致した。何かのきっかけで葬式に関する話になって、「葬式ってどう」みたいなことを言われたので「自分の葬式はいらない、死んだ奴に金使うのとかただ無駄だしやらなくていい」と言った。予想外にも同意された。こいつとはこういうゴミみたいな意見の時に限って意見が合致する。Aは「葬式で悲しむとその人の人生を否定してるような気分になる」と言った。それはよくわからなかった。他人が悲しもうがそれが死者の人生を否定しようが、死者には関係ないと思ったからだ。たとえAに否定されようが、死者には何の影響もないのだ。遺った人間に否定される筋合いもないし否定する権利もない。なのでAがどうしてそのように思うのかわからなかった。好奇心から「どうしてそう思うのか?」と突っ込んで聞いてみたかったが、なんとなく躊躇われてやめた。「実際葬式って死者のためってより生きてる人間向けのイベントみたいだし勝手にやらせとけ」とか言った。

朝ラーメン食べに行こう、と言っていたAだったが、寝て起きても結局当然のようにまだお腹が空いていないということでAの余裕ができるまで待ってから家を出た。ラーメン屋まで歩く間、私は「1月2日だし店は開いてないんじゃないだろうか」と考えていた。案の定ラーメン屋は開いていなかった。年始に開店してるかどうかなんて、誘う前に調べておくだろうが...と思いつつ近くの松屋に行った。2日の朝から客が何人かいて、正月から客がくるもんなんだなあと思った。食べ終わって店を出て、駅でそのまま別れた。「次までにコントローラー買っておくよ」と言われて、次があるだろうかとぼんやり考えた。なんとなく、次は私からちゃんと誘わないと永久にないだろうと思われた。私がまたLINEを吹き飛ばすのが早いか、Aを遊びに誘うのが早いか、どちらが先に来るかはわからない。でもせっかくお互いが東京にいるのなら、あとひとつやふたつくらいは思い出を作ってもいいかなと思った。いまこんな気分でいることだって、1ヶ月もすれば、Aという存在そのものが私の日常から消えることによってなくなってしまうんだろうと思ったので、備忘録として書いておくことにした。

 

 

 

おわり

20221114 プレイリスト

病院からの帰宅道中、Spotifyにおまかせで作らせたプレイリストが良かったのでメモ

 

 

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マスクを外して並木道を歩いたら、植物のにおいがたくさんして面白かった。

散歩をする時に嗅覚が機能するだけで面白い。季節、天気、旨そうな店、くせえ排ガス、煙草くさい人、マックを買って帰る人、いろんなものがわかって面白い。

 

 

 

おわり